ディアギレフのバレエ・リュスが生んだ名作の日本初演は、1954年。上海バレエ・リュスで同作を踊っていた小牧正英がフォーキン版に基づいて演出・振付しました。東宝主催で日劇にて24日間満員。現代では考えられない程のロングラン上演を果たした作品です。
時が経ち、1992年、1994年に現代風にアレンジして新振付による新『火の鳥』を上演してきましたが、初演の『火の鳥』に郷愁を感じる多くの人々のご要望もあり2003年、原点に戻ってフォーキンによる小牧版『火の鳥』を復元しました。
その後、2010年、久々に新振付『火の鳥』を酒井はなを主演に迎え上演し話題を呼びました。2015年には新国立劇場中劇場公演で倉永美沙(ボストン・バレエ)を火の鳥役に配して上演し称賛を浴びました。2016年の沖縄・宮古島公演(文化庁委託事業)でも上演しています。
初演公演を手塚治虫氏もご覧になり「火の鳥の精の魅力にすっかり参ってしまいました」と“火の鳥と私”と題して記しておられます。この作品がきっかけとなり漫画「火の鳥」が誕生しました。